ここでは、ED治療における「鍼灸」についてまとめました。
一般的に鍼灸と言えば、腰痛・肩こり・手足の痛みなど、筋肉や関節の症状にしか効果がないと思われがちです。しかし、実際は内臓疾患や神経系疾患、性機能に関する病気など、幅広い症状を改善させることができます。
この鍼灸で改善できる症状の中には、EDも含まれています。EDと一口に言っても様々なタイプがありますが、症例としてよく見られるのは、加齢による衰えや生活習慣病が原因で起こる「器質性ED」と、ストレスや緊張が原因で起こる「心因性ED」です。
後者はともかく前者については「血管や神経の不調」とも言えるため、鍼灸のようなアプローチが効果を発揮する可能性があります。
そもそも勃起現象には、血管や神経の働きが深く関連しています。以下に記載している勃起のメカニズムを知ることで、EDと鍼灸の関連性もより理解しやすくなるでしょう。
このような流れで勃起現象は起こりますが、血管や神経がしっかり機能した上で勃起に至っていることがわかります。逆にこれらの器官で不調が起こると、男性ホルモン減少や血行不良といった症状が誘発され、結果的にEDとなってしまうのです。
鍼灸院によってED治療に対するアプローチはそれぞれ異なるため、一概には言えないのが実情です。ただし、ペニス本体やその近辺に鍼を打ったり、灸を置いたりすることはありません。先述した通り、EDは血管や神経の不調によって起こる症状なので、基本的には腰やお尻など骨盤周りにアプローチして、体内環境を整えます。
鍼灸の経験がない場合、「鍼は痛そう」「灸は熱そう」というイメージがあるかもしれませんが、これは誤解です。まず鍼治療で使用する針は、注射針や縫い針と違って細く弾力があるため、身体に刺しても痛くないことがほとんどです。一方、灸治療はもぐさに火をつけて行いますが、我慢できないほど熱くなることはなく、むしろ温かくて気持ちいい灸もあります。
また、鍼灸治療を行うためには、はり師・きゅう師の国家資格を必ず取得しなければなりません。資格の取得後も学会や講習会に参加し、技術の向上と知識を蓄えなければならないため、資格を持っているということは一定水準の技術を保証しているというバロメーターと言えるでしょう。
「ED治療薬を服用しても効果がない」「EDの原因を根本的に改善したい」という方は、ぜひ鍼灸によるED治療を検討してみてください。